【 小林久敬 】

 小林久敬(1821年~1892年)は須賀川に生まれ、天保の凶作の惨状を見聞きして、猪苗代湖の湖水を安積野原野や岩瀬地方に流す構想を立てた先覚者だった。幕末から疏水開さくを提唱し、私財を投じて自ら測量し、東京に移り住んでまで疏水の実現に打ち込んだ。
 全財産を投じ、無一文となってまでも猪苗代湖からの疏水に生涯をかけた小林久敬は、安積疏水の完成を目の当たりにし、「あらたのし 田毎にうつる 月のかげ」という感慨の句を残した。
 郡山市愛宕町の愛宕神社には、小林久敬の功績をたたえた顕彰碑、句碑が建立されている。